PrizMage 1:蛍光アンミックス(蛍光分離)の意義

 近年の光学フィルターの性能向上は著しいですが、それでも多波長の蛍光観察を行う際には、他成分の蛍光もれ込みが存在することが多いのが実状です。細胞内構造の蛍光観察といった定性的な観察の場合では、フィルターを再検討して別の蛍光成分が極力映らないものに交換することで事足りますが、1波長で多波長の蛍光を励起する観察、あるいはRatio(2種類の蛍光強度比)算出やFRET観察など、各成分の輝度変化の定量的取得が必要となる場合は、全成分の検討が必要となるために単独の成分のみが良く観察できればよいわけではありません。

 たとえば、下図は典型的なFRET観察に用いられる2種の蛍光タンパクのCFP,Venus(YFP)の蛍光スペクトルですが、Venusの蛍光成分の領域には、CFP蛍光の長波長成分がかなりの割合で存在しており、これは光学フィルターで分離することは不可能です。そのためRatio値の算出では不可欠な、CFP・Venusの正味の輝度を見積もることができません。

 しかし、“各蛍光タンパクの、各波長成分への蛍光もれ込み度合い”を把握できれば、そこから逆算することで各成分単独の輝度の算出が可能となり、厳密な輝度変化やRatio値を検討することができます。
蛍光タンパクの蛍光スペクトル
図1 CFPとVenus(YFP)の蛍光スペクトル

2.リファレンスデーターの作成 に続く


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