デコンボリューションソフト:Huygens

  ソリューションシステムズ社よりご提供のソフトウエア:Huygens(ホイヘンス)は、デコンボリューション処理を行うことができます。
デコンボリューションとは、点(蛍)光源が焦点面以外でどのようにボケるかを考慮することにより、焦点面以外からの蛍光を数学的処理によって除去する手法で、焦点面の上下の面の蛍光に由来する画像のボケやにじみが取り除かれるため、空間解像度をより高めることが可能です。

  共焦点観察法は焦点面以外の蛍光を排除することができる手法ではありますが、それでも非焦点面以外からの蛍光をすべて完全に除去することはできません。そのため少なからずのボケが含まれてしまいますが、このデコンボリューション処理によって更なる画質改善が可能となり、データによっては「超解像顕微鏡で取得したのか!?」というような画像となる―可能性もあります(共焦点画像の例です)。
  もちろん通常の(落射)蛍光画像でも適用でき、著しい画質改善にもつなげられます。露光時間が短く、かなり画質が低い画像でも、鮮明な画像とすることもできる―かもしれません(当センターで試したムービーの例はこちらになります)。

  デコンボリューション処理自体はデーターの改変にはあたらず、論文で処理方法やソフトウエア名を記載すれば全く問題ありません(論文での記載例)。ごくごく大まかではありますが、Google-Scholarで"Huygens, Scientific Volume Imaging(開発メーカー)"で論文の掲載本数を調べると、2000年-2016年3月末の期間で1500報以上があり、この分野での一流誌にも既に数多く報告されております。

 詳細は、ソリューションシステムズ社のページや、SVI社のHuygens紹介のページ(こちらは日本語に訳されております。また上部メニューで、[News & Media : Image/Movie Gallery]には、各種デコンボリューション処理例も掲載されています)、あるいは下記よりサンプル画像をご覧下さい。

  (※参考 ソリューションシステムズ:なぜデコンボリューションが必要か

☆Huygens(ホイヘンス)の特徴

  • Z方向には画像を取得していない、1枚のみの画像でも、点像分布関数―Zを変えると点(蛍)光源がどのようにボケるか―の理論値を適用することで、デコンボリューションが可能です。また複数画像の連続処理も可能であるため、 多チャンネルのタイムラプスデータを一度に処理することもできます。

  • 落射蛍光像(ステーション3など)はもちろんのこと、非焦点面からの蛍光があらかじめ排除されている共焦点顕微鏡(ステーション1,4)、そして2光子顕微鏡の画像でも、更なる画質改善が期待できます。ぜひ以下の画像例をご覧ください。

  • 付属のビューアーで3次元レンダリング像を表示し、それを拡大/回転させた動画の作成も可能です。

※デコンボリューションでの注意点

  • 励起光や蛍光の波長はもちろんのこと、対物レンズの情報、ピンホールサイズなど、数種のパラメーターの正確な設定が必要です。次項の注意点ともつながりますが、オリジナルデータが展開できても、実際の処理前には各パラメーターの確認が望ましいところです。
    また上記の点像分布関数とは、蛍光ビーズをZ方向にスキャンした際の蛍光像のことです。
    そのため、このデータを処理の際に適用すると、それぞれの顕微鏡の光学特性を反映させられますので、更なる画質改善が可能となります(蛍光ビーズは、デコンボリューション補正用(0.17um)のPS-Speckが理想的です)。ビーズを用いた場合の簡単な比較は、[画像処理例4:3次元レンダリング]で見られます。

  • 処理を行うオリジナル画像は、各チャンネルでグレースケール(モノクロ)のTIF形式画像が標準です。

    最近のバージョンのHuygensでは、顕微鏡メーカーのソフトウエアオリジナルの保存形式のままでも処理可能となってきました。しかし多次元データの場合など、必ずしも全てが完全に反映されないことも考えられます。そのため少なくとも初回だけでも、オリジナルデータに加えてTIF形式ファイルでも持ち込むのが確実です。
    さすがに他の顕微鏡メーカーのソフトウエアはございませんので、そうしたデーターをTIFへ変換することは、こちらではできません…。

  • そしてオリジナル画像は、フォーカスが十分に合っていて、16ビットの輝度範囲で取得したものであることが最も理想的です。Huygensでのデコンボリューションに限らず、一般的な画像処理・解析において、CCD/CMOSカメラで8ビット(256階調)設定で取得した画像は、明らかにSN比が小さいため、適しておりません。



1.Huygensによるデコンボリューション前後の比較(落射蛍光像)

2.Huygensによるデコンボリューション前後の比較(落射蛍光像のムービー)

3.Huygensによるデコンボリューション前後の比較(共焦点画像)

4.3次元レンダリング画像の例


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