Huygensによる画像処理3:共焦点顕微鏡画像での比較

  最初のデコンボリューションの概略で記したように、非焦点面以外に由来する蛍光を取り除く手法である共焦点顕微観察のイメージであっても、にじみを除去して空間解像度を更に高めることができます。
  初見では共焦点観察で得られる像で既に十分そう―でもありますが、デコンボリューション処理後の画像を一回見てしまうと、まだ輪郭もぼんやりしていて"ねむそう"な印象があるなど、まだまだ画質改善の余地があるような印象となります。

  以下では画像をクリックすると、デコンボリューション前後の比較画像が拡大表示されます。
  また左上の矢印のボタンを押すと、マウスホイールで更に拡大表示が可能です。
 (左:処理前; 右:処理後)

例1:COS7細胞のデコンボリューション処理の比較
 
  白:ActinGreen ReadyProbesでアクチンを染色.
 太いものも細いものも、それぞれの繊維が鮮明に見えるようになりました

例2:COS7細胞のデコンボリューション処理の比較
 
  白:ActinGreen ReadyProbesでアクチンを染色.
 例1と同種のサンプルで、更にズームをかけて拡大しています。処理前はノイズレベルと大差なかった細い繊維も、明らかなシグナルとして明瞭に見えるようになりました。また処理前で"重なり合ってもやもや"とした箇所は、処理によって他の焦点面由来の蛍光が除去できたことも確認できると思われます。

例3:対物レンズが異なる画像の比較

 左:20倍の対物レンズ(ドライ用, NA:0.75)で取得し、デコンボリューションを行った画像.
 右:60倍の対物レンズ(油浸, NA:1.40)で取得した、デコンボリューションしていない画像.

 20倍の対物レンズで撮った画像でも、ちょっと見ただけでは60倍対物レンズでの画像と判別がつきにくくなるほど、画質向上が可能です。高倍率のレンズが使えない状況も往々に考えられますが、そのような場合でも鮮明な画像とすることができます。(*高解像の画像のため、ファイルは2M程度となります)
 
  :α-チューブリン(Alexa546染色)
  :細胞核(Hoechst33342染色)

例4:HeLa細胞のデコンボリューション処理の比較

 今回は特にパラメータ最適化を行わず、簡易設定(Huygens-Express)で処理しましたが、それでもこのように、「超解像顕微鏡で撮ったのか!?」と思わせるほどの画像も、わずか3分ほどで容易に作成できます。
 
  :α-チューブリン(Alexa546染色)
  :細胞核(Hoechst33342染色)

例5:FluoCells#2(ウシ肺動脈内皮細胞プレパラート)のデコンボリューション処理の比較
(サンプル提供: サーモフィッシャーサイエンティフィック社
 
  :チューブリン(BODIPY染色)

例6:FluoCells#2(ウシ肺動脈内皮細胞プレパラート)のデコンボリューション処理の比較.

Z方向に10枚取得した画像から,MIP(最大輝度投影法)で表示.
(サンプル提供: サーモフィッシャーサイエンティフィック社
 
  :細胞核(DAPI染色)
  :チューブリン(BODIPY染色)
  :アクチン(Texas-Red染色)


  例7:培養細胞の微小管末端(EB1)のタイムラプス観察でのデコンボリューション処理の比較.

  サンプルと観察方法:微小管末端(EB1)にGFPを発現させた培養細胞を、毎秒1枚、約1分間にわたって共焦点観察を行う。
  上:デコンボリューション後; 下:デコンボリューション前


  * Webブラウザによるが、動画ファイルのサイズは4MB-6MBとなる。

  デコンボリューションによって微小管末端は更に明瞭に可視化されるため、更に綿密な微小管動態の検討が可能となります。
  ※サンプル提供 北海道大学 理学研究院 高橋正行先生; 東北大学 大学院医学研究科 上条桂樹先生



1.Huygensによる画像処理の比較:落射蛍光画像

2.Huygensによる画像処理の比較:落射蛍光画像の動画

4.3次元レンダリング画像の例



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